
| 障害のある人に対する差別や権利侵害は、
社会や経済の状況などによっては差別とは認識されにくかったり、権利侵害と認められなかったりすることが少なくありませんでした。
けれども一国内だけの状況から見ると差別とは認識されなかったことが、実は他の国ではすでに差別として認識され、権利侵害と理解されていることがあります。
障害者権利条約は世界共通の規範を使ってさまざまな国や社会で共通に起こる障害のある人に対する差別と権利侵害を明らかにし、
障害のある人も他の人々と同様に人類の普遍的価値である人権を享受できるようにするものです。 けれども、障害者権利条約の条項の意味には当然規範としての幅があり、解釈の余地があります。条約の生きた意味は、 現実の差別や権利侵害に障害者権利条約が具体的にどのように適用されていくかという実践的な考察の中で次第にその規範的意味を明らかにし、 規範としての有効性が鍛え上げられていくものです。 とりわけ他の国や社会で障害者権利条約が現実にどのように生かされているかを比較評価することは、 障害者権利条約の真の規範的な意味を明確にしていくうえでとても重要なことです。それと同時に、こうした作業は、 一国の中ではやむをえないこととして無視され放置されてしまいがちな差別や権利侵害を、 そのままにせずに障害者権利条約の保障をどの地域の人々にも同じ水準で享受できるようにするために不可欠なことでもあります。 欧州、米州、アフリカなどにはすでに地域人権裁判所があり、人権という人類にとっての不変的な価値を国を超えて実現していく組織があります。 しかし、アジア太平洋地域にはいまだにこうした機関がありません。このプロジェクトは、障害者権利条約を普遍的な価値として、 私たちの地域であるアジア太平洋地域に遍く実現していくために障害者人権審査機関を創設していく道筋を作り上げていこうとするものです。 |

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このプロジェクトは正式には「アジア太平洋地域における障害者の人権審査機関(Regional Disability Aj Tribunal)創設のための
地域市民によるネットワーク構築プロジェクト」といいます。このプロジェクトはトヨタ財団の2008(平成20)年度「アジア隣人ネットワークプログラム」
から助成を受けて進めているプロジェクトです。 このプロジェクトは2006年12月に国連が採択した障害者権利条約(Convention on the Rights of Persons with Disabilities)を基本法としてアジア太平洋地域に 障害者人権審査機関として立ち上げていこうとするものです。 |



